君の特技は何?

 四年生の古川亮(ふるかわ・りょう)くんは、硬筆で優秀賞をもらったんだって。
三年生の藤田瑛美(ふじた・えみ)ちゃんは、水彩画で特別賞。それぞれ、いろんな特技を持っているね。
わたしは五年生のとき、「ぼくはロン」っていう作文で、ハナマルもらったっけ。
きょうはネ、うちに来る動物たちの特技を紹介します。

 まず、山岸(やまぎし)コロちゃん(マルチーズ、三歳)。
お留守番がきらいで、山岸さんが出かけそうだなとさっすると、家のかぎをかくしてしまいます。
イスの下、野菜かごの中、洗たく物のすみ……、そのときによって場所はかわります。
山岸さんがオロオロかぎをさがしていても、ソファーの上にちょこんとすわって、知らん顔しているのです。

 ハスキーのジローくんは、何をいっても診察台の上でボーッ。
「おすわり」といっても、耳をかたむけて不思議がるようす。
いろいろ聞いてみたら、アメリカから輸入されてきたばかりで、けさ成田空港についたんですって。
そこで、「Sit(おすわり)」といってみたら、ピッとすわります。
「Down(ふせ)」というと、パッとふせもできました。きょうから英会話やらなくちゃ!!

 ヨークシャーテリアの田中ルリちゃん(五歳)は、テレビのチャンネルをかえちゃうの。
画面にイヌが出てくると、どうもヤキモチをやくらしく、ピョンとスイッチにとびついて、別の番組にしてしまいます。

 白文鳥のピピちゃんは、目ざましがわりになります。
朝、おばさんが鳥かごを開けて「起こしてきて」というと、リビングをこえて廊下に出て、
一番奥の書斎にまっしぐら。そこでグースカねているおじさんの髪をつまみます。
それで起きないと、こんどは「ピッピッ」とおこりながら耳たぶをつっつきます。
「わかったよ」とむっくり起きたおじさんの手に乗ってリビングに行くと、
ごほうびのキャベツのせん切りを一本、もらえるの。

 動物たちのこんなエピソードを聞くのも、わたしたち獣医さんの楽しみのひとつです。
みんなのうちの動物にも、特技があったら教えてね。