薬の飲ませ方

「タマが薬をいやがってのまないよ」。猫伝染性鼻気管炎(カゼ)で、
さっき来たヨッちゃんが、ふたたびあらわれました。
ちゃんと説明したのに、タマが心配でうわの空だったようです。


 ネコは、人とちがって「この薬をのめば元気になる」「病気をなおそう」
とは思わないので、おいしいものでなければ、自分からはのんでくれません。
「良薬口に苦し」というくらいだもの、ふつうはいやがってしまいます。

だから、無理にのませるか、ぎゃくにあまりいやがらないように工夫して、あたえる必要があります。

無理やりのませるのは、一回きりなら何とかなりますが、次からはもっと手こずります。
そこで、自然な方法を教えるね。


それは、食事の中に入れる方法です。
でも、ひと口目には薬を入れません。
ネコは用心して、よくかんで味をみるからです。
ひと口目がだいじょうぶだと、安心して、ふた口目はあまりよくかまず、
のみこんでしまうことが多いので、薬はふた口目に入れましょう。


 薬が粉状なら、ねっとりしていて味がかくれやすいもの、
たとえばマヨネーズ、バター、ハチミツ、ジャム、コーヒー用ミルクなどでねって、
口を開けないで、くちびるのすきま(歯ぐき)にぬりこみます。
シロップなどの液体も、スポイトやストローでくちびるのすきまに流しこみます。
 どうしてもうまくいかないときは、前あしにくっつけてみましょう。

ネコはきれい好きなので、取ろうと思ってペロペロ一生けんめい、なめてしまうこともあるからです。
いろいろ挑戦してみてものませることができないときは、
薬によっては、肛門から直腸に入れて、腸の粘膜から薬の成分を吸収させる方法もあります。


タマが元気になるように、よりよい方法を見つけてね