ウサギの耳ってどんなの?
ウサギの耳って、どうして大きいのでしょう。
この大きな耳は、2つの働きを持っています。
ひとつは、高性能の集音機になります。
わずかな音もキャッチして、危険を早く感じ取り身を守ります。
また、小さな音を感じるだけでなく、その大きな耳を左右別々の方向へ向けることができます。
そして耳介にある毛は、少なく短くて、動かしやすくできています。
もうひとつの働きは、体温調整です。
大きな耳には、たくさんの末梢血管が分布しています。
そして、血液をたくさん流して、表面から熱を放散し、
体温を一定に保つようになっていて一種の空冷装置となっています。
体の表面には、汗腺はほとんどなく、人のように汗をかいて体温調節はできません。
耳の構造は、人と同じように鼓膜から外側を外耳、鼓膜より内側の鼓室と耳管の部分が中耳で、
音の振動を耳小骨により伝えています。
さらにその奥が内耳で、骨に囲まれていて、音の振動を神経に伝えるとともに、
三半器官で平衡感覚を感じ取り、前底神経へと伝えています。
外耳の病気
☆ケガ☆
他のウサギにかまれたり、猫にひっかかれて、耳が切れることがあります。
出血して血が止まりにくいときは、5分間くらい、脱脂綿などを当てて、
そっと圧迫しているといいでしょう。消毒薬をつけて感染を予防します。
☆やけど☆
低めでも、ヒーターなどの前に長い時間当たっていると、低温火傷になることがあります。
☆耳ダニ☆
耳ダニ(ウサギキュウセンヒゼンダニ)が、外耳道内に寄生すると、
その刺激により、耳の中にかさぶたがたくさんできます。痒みを伴い、
そこで細菌が増えて、膿が出ることもあります。
☆外耳炎☆
細菌が単純に増殖して外耳炎が起きることもあります。
耳の中が赤くなったり、茶色い分泌物が見られたりします。
慢性化すると、上皮がゴツゴツ肥厚してきます。
外耳炎の感染が、中耳や内耳、神経に及んで、生死にかかわることもあります。
中耳・内耳の病気
☆中耳炎・内耳炎☆
鼓膜の奥で細菌が増殖すると、膿がたまったり進行すると内耳も侵されます。
平衡感覚がうまく保てなくなり斜傾といって、首が傾いたり、歩けなかったりします。
エンセファリトゾーンといって、ウサギ微胞子虫という原虫が原因で、内耳がおかされることもあります。
耳后の貯留
今人気のロップイヤー(耳の垂れたウサギ)では、外耳道が曲がっているため、
耳あかがたまりやすく、外耳道をふさいでしまうことがあります。
耳血腫
血液様の液体がたまって、耳(耳介)がぶ厚く腫れてしまう病気です。
かゆみを伴う外耳炎や耳ダニ症のときに、発症することがあります。
耳の壊死
リボンや輪ゴムをつけて、血行障害が起きると、そこから先の組織が腐って死んでしまいます。
ウサギの耳の病気の予防
ケ ガ
複数のウサギを一緒にするときは、人が必ず見ているときにします。
冬は、ストーブの前に長くいられないよう、サークルなどを設置しましょう。
耳ダニ
ウサギの耳の中がカサカサしていたら、ダニの仲間が耳に寄生している可能性があります。
他のウサギにもすぐ移るので、飼い始めたら、すぐ病院で検査を受けましょう。
外耳炎
耳の中を時々覗いて、分泌物が出ている・赤い・くさい・かゆがるなどの
症状があるときは、早めに治療を受けます。慢性化すると治りにくくなります。
中耳炎・内耳炎
外耳炎から移行することがありますので、耳ダニや外耳炎は、早期に治療しておきましょう。
耳后の貯留
耳后がたまりやすいウサギでは、外耳炎に移行することもありますので、
定期的に耳の洗浄液を垂らして、外に排泄させやすくするとよいでしょう。
動物病院で相談してみましょう。
乾いた綿棒で直接外耳道をふくと、こすれてしまうこともありますので、注意しましょう。
耳血腫
外耳炎を早めに治療して、耳をひっかいたりさせないようにします。
耳の壊死
どんなにかわいくても、またかわいくしたくなっても、
耳にリボンやかざりをつけるのはやめましょう。