1 冬の病気ってどんなの?
寒さは強い動物と言われていますが、仔ウサギ・高齢ウサギ・慢性の感染症たとえばパスツレラなどによる慢性の鼻炎などを持っているウサギなどは、急激な温度の変化は苦手です。急な寒さや場所の移動など生活環境の変化により動物はストレスを受けることになり、体の低抗力が低下します。感染症になったり、慢性の病気が悪化したりしないように注意しましょう。
また、寒くなり始める季節には、夏毛が冬毛に変わるので、毛を自分でなめて胃に毛がたまりやすくなり、食欲不振の原因になることがあります。
2 冬の病気の種類や症状
やけど 60度位の低温でも、長時間、熱を受けると細胞が障害を受けて炎症がおき、低温やけどになることがあります。特に年をとったウサギや病気で元気のない動物では、長時間、ストーブの前やヒーターの上に直接寝かせたりしないようにします。
スナッフル いわゆる鼻カゼの症状になった時にこうよばれます。クシャミや鼻汁が出ます。進行すると、食欲や元気がなくなったり、肺炎や結膜炎を併発することもあります。呼吸器の粘膜でパスツレラ菌・緑膿菌などの細菌が増殖します。パスツレラ菌を保有しているウサギでは、治療して落ち着いた症状になっても、完全に菌は排除されないことが多いです。
消化菅機能低下症 すきま風や極度の温度変化などのストレスにより胃腸の働きが低下すると、食欲や元気が低下し、便の数が少なく、形も小さくなったり、下痢を起こしたりすることもあります。食欲不振が続くと、ウサギは肝リピドーシス(脂肪肝)になって、肝臓の働きも悪くなってしまいます。ウサギは、胃腸の病気で命にかかわることが多いので、注意が必要です。また、チモシーの干草など繊維の多い食物を与えて胃腸の働きを低下させないようにすることも大切です。
3 冬対策
寒さに強い動物ですが、急激な温度変化には注意が必要です。室内で飼っていたウサギを急に屋外で飼い始めたりしないようにしましょう。徐々に寒さになれるようにすると、体調をこわすことも少ないでしょう。
屋外で飼う場合は、すきま風が当たらないような構造の飼育箱にし、気温が4度以下にならないようにします。でも、あまり通気性が悪かったり、排泄物の管理が悪いとアンモニアなどの刺激により、呼吸器の病気をおこしやすくなります。
仔ウサギ・高齢のウサギ・病気のウサギは、寒さに弱いので注意しましょう。
室内で飼っているウサギは、直接ストーブの風が当たったり、室温が高くなりすぎないようにします。
また、暖房を切ったあと、温度差が大きくならないようにしましょう。マット式のヒーターを敷く場合は、表面の温度が高くならないものを選ぶか、ヒーターの上にマットなどをのせて、動物の皮膚に直接当たらないようにしましょう。コードやマットをかじらないように工夫も必要です。
寒さや暑さなどの気温の変化に対して、動物は順応する力を持っているので、神経質にする必要はないと思われますが、天候は変わりやすいもの。なかには急な変化についていけなくて病気になることもあります。
食欲や元気など、いつもと少しでも違う時は、早めに動物病院に相談しましょう。
冬のエピソード (アニファ)
冬になると、人も動物も注意しないといけないのが、やけどです。ストーブの前をいつも陣取ってホットドックになってくる犬がいますが、ウサギも例外ではありません。低温やけどといって、低い温度でも長い時間そういう状態になると皮膚が赤く炎症を起こし、気にしてかいたりして余計ひどくなります。
冬は人でインフルエンザが流行るように、ウイルスは空気が乾燥し飛んでいきやすくなります。 動物では、すきま風など外に小屋があると環境が厳しくなり免疫力が低下します。
そこで各種ウイルスの他、パスツレラ菌などによる細菌感染も、伝染しやすくなって一匹よくなったかと思うとまた次のウサギというように、次々連れてこられることもあります。また、外遊びが減ってじっとしていることが多く、冬になると太ってくる子もいますので冬もなるべく一緒に遊びましょう。