ペットロスの特効薬

「その節は大変お世話になりました。最後のお電話では、先生にどれだけ助けられたかわかりません。
早いもので、”わさび”がいなくなってから3ヵ月が経ちました。最初は淋しくて泣いてばかりの毎日でしたが、今は気持ちが少し落ち着いて、死を受け入れることができ、とても充実した日々だったと感じています。
今回は先生にご報告があって、お手紙を書いています!!
なんとまた、わが家に新しい家族が2匹やってきました。女の子。名前は決めたのですが、どっちがどっちか分かりません。ちなみに”わかめ”と”パセリ”です。また、新しい毎日が始まりそうでワクワクしてます。これからも、この子たちの成長を楽しみに、責任をもってかわいがりたいです」

昔、私たちが開業した25年前くらいは、飼っていた動物が亡くなると「哀しいから、もう2度と動物は飼わない」「1周忌がすんでから考える」「前の子がやきもちやくとかわいそうだから」と、なかなか次の動物を飼う気持ちになれない方が、多かったように思います。

今は少し変わってきて「失恋は次の恋がいやしてくれるじゃない。ペットロスはペットがいやすよねぇ、先生!」「先生にまた会いたくなって買ってきちゃった」と、少しすると2匹目の動物を連れて再び扉を開けてくれる方が、増えました。元気になった飼い主さんを見るとほっとします。

乳がんのウサギのラビちゃんと、肝臓病で通院していたマルチーズのミルクちゃんとは常連アニマルフレンド。両方とも予後がむずかしい病気でした。待合室で会うと、お互い励まし合ってきました。ウサギのラビちゃんが、力つきて亡くなった日。ミルクちゃんのママは、少しでも元気がでるようにと、ラビちゃんの家族あてにメモをくれました。しばらくしてミルクちゃんが亡くなったとき、ラビちゃんの家には2匹目のウサギ、モモちゃんが来ていました。出先のペットショップで目が合ったのが運の付?!「売れ残っているんだよ」というお店のおじさんの一言がこころに拍車をかけました。「連れて帰りますっ」

今度はモモちゃんのママがお便り。「モモちゃんが来て、太陽2匹分の元気をくれました。ミルクちゃんの家にも、気持ちが落ち着いたらなんて言ってないで。どんな優しい人のなぐさめより、口はきかないけれど動物がいるだけで、家の中がパーッと明るくなりますよ」このお便りで心を動かされたのか、まもなくして、ミルクちゃんのうちにも、まっ白なマルチーズの子犬、小雪ちゃんが来ました。飼い主さん同士が仲良くなってくれるのもうれしいことです。

ペットロスの治療薬、特効薬はペットトだよネ。飼い主さんをみているとつくづく思うこの頃です。動物の力って、すごいな。はかり知れないものがありますね。